9月に入っても前月同様に暑い日が続きます。庭に植えたバラでも、週2回は水やりが必要です。乾燥には注意しましょう。ただし、雨が続けば必要ありません。夏の剪定をした株も、中旬になると芽が元気よく伸びだします。剪定後の追肥と薬剤散布も引き続き行います。
 9月は台風の最も多い月でもあります。台風情報に気を配り、可能な限り手を尽くしておきましょう。もちろん大型台風の直撃を受ければひとたまりもありませんが、できるだけのことをしておけば、ショックからの気持ちの立ち直りも早いはずです。

 
10〜11月に開花する秋バラを美しく咲かせるための夏の剪定も、東京近辺では普通 9月10日までには終わるようにしましょう。それより遅れると、花の咲く時期に霜害を受けることになってしまいます。まだ終わっていない人は、急いで作業をすませてください。
 秋は日を追って気温が下がるため、1日剪定が遅れると開花は4〜5日遅れます。剪定する日によって花の咲く時期が大きく左右されるということを覚えておきましょう。 夏の剪定は、不要な枝を整理して、株の形をととのえる程度の整枝と考えます。まず、枯れ枝、病害虫におかされた枝、ふところ枝、細すぎて良花の得られる見込みのない枝を切り除きます。その後、株全体の高さの3分の2を残すくらいの気持ちで、木の形をととのえながら作業を進めます。
 2年目の古い枝は、春に二番花を咲かせた枝か、三番花の枝の中ほどで切るようにします。春から伸びているシュートは、5段になっていれば3段目の中ほど、3段になっていれば2段目の中ほどで切ります。夏の間、下葉を落としてしまった株の場合は浅めに切って葉を残すように心がけます。どんな枝にも必ずハサミを入れましょう。
 いずれの場合も、五枚葉のついているところのできるだけ充実したよい芽を選び、芽の上6〜7mmのところで切ります。その芽を元気に伸ばしてりっぱな秋バラを咲かせましょう。
 フロリバンダはハイブリッドティーよりもさらに浅い剪定とし、枝の先を軽く切り込んでおきます。

 夏の元肥をまだ入れていない場合は、いまからでも間に合います。剪定後すぐに与えましょう。株元から30cmくらい離れたところに15cmほどの深さの溝を掘り、有機質肥料を主体とした遅効性の肥料を入れて土とよく混ぜ、その上に土を戻して水をたっぷり与えます。施肥量 はバラの品種や株の大きさ、土質によっても異なりますが、成木で骨粉300g、油かす200g、硫酸カリ20gが目安です。なお、一季咲きのオールドローズやつるバラには、夏の元肥は入れなくてもかまいません。 すでに元肥を与えている場合は剪定後すぐに「芽出し肥」を与えます。速効性の化成肥料を月1回、欠かさず与え続けます。
 なお、つぼみが色づき始めたら、花が咲き終わるまで施肥は中止します。

 台風による被害が心配な季節です。台風が来るとわかったら庭植えのものは支柱を立てて結束します。株の周囲に支柱を3本立てて株を支柱ごとひもなどで束ねます。台風が去ったらすぐに戻しておくことも忘れないでください。
 海に近いところでは、台風の雨は塩分を含んでいますから、台風が去ったらすぐに水をかけて洗い流しておきましょう。葉や枝が傷んだり折れたりしたら、その下の五枚葉の上で切っておきます。傷口から病気が広がらないように、薬剤散布をすることも大切です。  雨のあと急に強い日が照って、若いやわらかい葉が傷むことがありますが、コンテストに出品する以外、あまり心配はいりません。薄めの薬剤散布をしておけば、やがて健康な葉が育ってきます。



台風が近づいたら、風雨がひどくならないうちに、株の周りに支柱を3〜4本立て、ひもで結束しておく。


鉢植えはあらかじめ倒しておき、転倒の被害を防ぐ。ただし、このままにしておくと芽が曲がって伸びるので、台風後はすぐに戻すこと。

 気温が下がってきて、昼と夜との温度差が大きくなると、夏の間勢いの弱まっていたうどんこ病が再び多発してきます。長雨や台風のあとに発生しやすい黒点病にも要注意です。新芽が伸びだす中旬からは、害虫の防除も欠かせません。特に、花の中にもぐり込んで花弁から汁を吸ってしみをつけるスリップスには、早めの防除が必要です。
 薬剤散布は開花中には行いにくいので、前もってしっかり実行しましょう。病気の予防のためのダコニール、害虫駆除のためのオルトラン水和剤またはマラソン乳剤、ハダニ駆除のための殺ダニ剤(オサダン水和剤1500倍液、ダニトロン1000倍液、ニッソランV1500倍液のうちのひとつ)を混合して、月2回、定期的に散布します。


●うどんこ病●
 新芽や若葉、つぼみ、花首などのやわらかい部分に発生しやすく、白い粉をまぶしたようになり、葉はちぢれて巻き返り、花も奇形に咲いたりする。葉は十分な光合成ができなくなり、木の生育も悪くなる。主に5月から梅雨明けまでと、9月下旬から10月いっぱい発生する。
 ダコニール1000倍液の定期散布をして予防するが、多発時にはバイトレン5の800倍液、バイトレン25の2500倍液トリフミン4000倍液、ストロビーフロアブル4000倍液などを交互に散布すると効果 的。同じ薬を続けると、耐性ができて効きが悪くなるので注意。発生したらミラネシンが有効。
●薬剤散布●
  美しい花を咲かせるために、定期的な薬剤散布を忘れずに。帽子や衣服で体をおおい、散布後は必ず手や顔をよく洗い、うがいをしておく 。