梅雨が明けると一気に気温も上がり、乾燥も激しくなります。高温期に猛威をふるうハダニ、それに黒点病などが発生し、バラにとっては厳しい季節です。効果 的な薬剤散布で、花が終わっても生長を続けるバラを守ってやりましょう。
  夏の間、できるだけ株の体力を消耗させないために、摘蕾も欠かせません。

晴天がつづけば毎日必要です。1株にバケツ1杯以上与えます。特に暑さの厳しいときには、早朝に葉に水をかけてやるとよいでしょう。

急激に乾く梅雨明け。水やりはこまめに土の中まで水がしみるまでたっぷりと行いましょう。敷きわらがしてあるものは、わらを除けてから水を与えます。 鉢植えには最低でも1日1回、乾きが激しいときは朝と夕方の1日2回水やりします。鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと。

今月も木は旺盛な生長をつづけています。引きつづき追肥を月1回与えます。速効性の化成肥料を、1株に1〜2握り、株元にばらまいてやります。

化成肥料を株元から30cmくらいのところにばらまきます。
まいた肥料を、表面の土と軽く混ぜておきます。

四季咲き性の品種は春の一番花が終わったあとに二番花が咲き、さらに三番花も咲こうとします。しかし、気温が高くなると花は小さくなり、花色もさえなくなりますから、ハイブリッドティー系は三番花は咲かせずに摘蕾します。  フロリバンダ系やイングリッシュローズ、返り咲きするオールドローズなどは夏じゅう花を咲かせてもいいでしょう。ただし、株が弱っているもの、シュートの発生の思わしくないものは適宜に摘蕾し、体力の消耗を防いでやります 。

土の表面近くの温度の上昇と乾燥から根を守るために、冬季と同様のマルチングが今月からはぜひ必要です 。わらや腐葉土、バーク堆肥などを株元に敷いてやりましょう。


地表の温度の上昇と乾燥を防ぎ、バラを弱らせないためにはマルチングが効果 的です。

 バラは病気や害虫に弱く、放任状態では満足な花を咲かせることはまず不可能といってもいいでしょう。今月は特に、ハダニと黒点病に注意が必要です。被害を最小限に抑えるためにも予防が大切です。 病害虫の発生期である4月から11月までの生育期間中は、月に2回の定期的な薬剤散布を心がけましょう。
 病気の予防のための殺菌剤、害虫予防の殺虫剤、ダニ予防の殺ダニ剤の3種類を混合して散布します。最近は、殺菌剤と殺虫剤、殺虫剤と殺ダニ剤があらかじめ混合されたものも市販されていますので、それを利用するのもよいでしょう。
 薬剤は説明書の使用法を守って適切に使ってください。濃い薬剤を散布すると薬害が出る場合もあるからです。特に新芽の出る4月と9月は規定倍率よりも薄めにして使用すると安心です。  
なお、薬剤を散布するときは衣服や帽子で体全体をおおい、散布後は必ずうがいや洗顔をしましょう 。

薬剤散布は欠かせませんが、日ごろのこまめな手入れで散布回数を減らす努力をすることも大切です。  日照や通風をよくし、バラの周辺をいつも清潔に保ちましょう。また、株元にわらやバーク堆肥を敷き詰めると、雨のはね返りを防ぎ、黒点病にかかりにくくなります。木酢液の併用により、バラの抵抗力を高めることも有効です 。

梅雨のあとは雑草も目立ってきます。バラの養分を吸い取るばかりか、病害虫の発生にもつながりますから、こまめに除草をしましょう 。

水やりや長雨などで地表がかたくなってきます。除草や追肥のときなどに、土の表面 を軽く耕す「中耕」をしましょう 。

夏に多いバラの病気と害虫
黒点病

葉に黒褐色の斑点ができて黄変し、やがて落葉します。古くなった葉に多発して、放置すると株全体に広がり、花はもちろん、木の生育にもダメージを与えます。梅雨時や秋雨時、とくに台風の後などに大発生しますから注意が必要です。健康な株にまで次々に伝染しますから、兆候が見られたらただちに、サプロール1000倍液などを散布します。予防としてはダコニール1000倍液の定期散布をします。ダコニールは薬害もなく、耐性もつきにくい薬なのでおすすめですが、人によってはかぶれることもありますから注意しましょう。すでに発生してしまった場合はサプロールを併用します。

アブラムシ
ほぼ一年中発生し、新芽やつぼみ、茎に群がって樹液を吸います。排泄物で葉などがよごれ、病気の発生の原因にもなります。新芽や若いつぼみにびっしりとつくことも多いので、よく観察し、見つけ次第、殺虫剤を散布して駆除しましょう。マラソンやオルトランなど、ほとんどの殺虫剤が効果 があります。木酢液も効果があります。
チュウレンジハバチ  
成虫は茎を割って産卵します。卵が孵化すると、5mmほどの幼虫が葉に群がって食害し、葉を葉脈だけにしてしまいます。幼虫は2cmくらいまでに成長します。  殺虫剤の定期散布で予防します。幼虫は見つけしだい捕殺するか、殺虫剤で駆除します。産卵中の成虫は動きが鈍いので、見つけたら捕殺します。
オトシブミ
葉をくるくると巻いて中に産卵し、孵化した幼虫は中にひそんで葉を食害します。
見つけたら葉を切ってつぶします。
コガネムシ
バラにつくのは体長5mmから1cmくらいの小さなコガネムシで、つぼみや花弁を食害して花に穴を開けてしまいます。薬剤による完全な駆除は困難で、殺虫剤をかけると一時はいなくなりますが、またどこからか飛来します。
こまめに見回って捕殺するようにしましょう。
ゴマダラカミキリ
成虫が6〜7月に飛来して根元に産卵します。孵化した幼虫はテッポウムシとも呼ばれ、茎の中を食害し、やがて木を枯らしてしまいます。
根元近くの穴からこまかいおが屑状の糞を出しますから、見つけたらマラソン乳剤などの殺虫剤の原液をスポイトなどで注入し、癒合剤などで穴をふさいでおきます。
ハダニ

ごく小さなダニで、葉の裏に多く寄生しますが、肉眼では見えません。
7〜8月の高温乾燥期に多く発生します。葉が内側にそり、水分がなくなってかさかさした感じになり、葉裏にクモの巣が張ったような膜ができて、やがて黄変して落葉します。
水不足のような症状で、水やりしても改善されないような場合は、ハダニの被害と考えられます。  普通の殺虫剤では効果がないので、オサダン水和剤やケルセン乳剤、ニッソランVなどの専用の殺ダニ剤を散布して防除します。
ニッソランVは普通の害虫にも効果があるので便利です。薬剤に対する耐性ができやすいので、2〜3種類の薬を交互に使うとよいでしょう。  
乾燥すると発生しやすくなるので、霧吹きなどで葉裏にこまめに水をかけてやると発生を抑えることができます。