木バラの成木は、ちょうど芽の動き始める直前に剪定を行わなければなりません。バラ作りにとって、これは最もたいせつな作業。芽が動き出すと、養分はいっせいに芽に向かいます。不要な枝を取り除き、よい枝とよい芽を残すことで、そのエネルギーをむだなく花枝に集中させてやりましょう。

バラの剪定は年に2回、夏と冬に行います。冬の剪定では、新しいシュート(昨年出た新しい枝)や昨年の春に一番花を咲かせた枝を残し、古くなって老化した枝を切り捨てます。こうすることで株を若返らせることができるのです。また混み合った枝なども整理し、風通 しや日当たりをよくして株全体の姿をととのえてやりましょう。
冬の剪定は思い切って深く行うのが原則です。

剪定の時期

剪定の適期は、あたたかい地方、寒い地方によってかなり差があります。東京では2月中旬ごろが目安ですが、その年の温度や品種によっても、また木の育ちぐあいによっても違ってきます。芽の状態をよく観察し、赤くふくらみ始めるころを見逃さずに行うことがポイントです。

不要な枝は根元から切りとる

枯れ枝や病害虫におかされた枝、細い枝(鉛筆よりも細いもの)、たとえ太くてもフカフカして切りごたえのない枝、株の内側に向かって伸びている枝(ふところ枝)、前年の秋おそくに地ぎわから出たシュートなどは、残しておいてもよい花は咲かないので、根元から切りとります。

残った枝を切りつめる

前年に一番花を咲かせた枝は中ほどで切りつめて、今年の花枝を出させます。 剪定の深さは、品種によって違ってきます。ハイブリッドティーは、どちらかというと、花数は少なくても、大きくてりっぱな一輪の花をめざすものですから、深めに切りつめます。フロリバンダやポリアンサは、できるだけ多くの芽を残してたくさんの開花を楽しむために、株全体の1/2を残す程度の浅めの剪定をします。ハイブリッドティー系も、庭バラとして楽しむ場合は、浅めの剪定で花数を多くするのがよいでしょう。

充実した芽の上にはさみを入れる

枝を切るおおまかな位置が決まったら、そのあたりの充実している芽を選んで、その6〜7mm上のところを、芽の向きと平行にはさみを入れます。はさみは必ずよく切れる剪定ばさみを使いましょう。  
充実しているよい芽とは、大きくて丸みをおびた、しかもかたくしまった芽です。やせて先のとがっているものは、よい芽とはいえません。  
芽はいろいろな方向を向いていますが、できるだけ株の外側に向かっているものを選びましょう。内側に向かっている芽は、枝が伸びてくると、ふところ枝になるからです。ふところ枝は風通 しを悪くして病害虫の発生源になりやすく、また、枝がぶつかって葉や花を傷つけてしまうおそれがあります。


1)古い枝葉根元から切る。
太いものはのこぎりを使う。
2)細い枝を切りとる。
3)傷んだ枝は充実した
芽の上で切る。
4)充実したよい芽。
5)太い枝も、全体の1/3〜1/2を残す感じで、よい芽の上で切る。
6)剪定のおわったバラ。
7)株の周りを少し掘り、
化成肥料を与えて埋め戻しておく。
 


不要になった枝を取り除き、新しいシュートを中心に、太い主幹枝を残して世代交代をはかりながら剪定します。長く伸びている枝を利用して、つるバラのように仕立てようとする場合は、つると同様に誘引します。
一般に、一輪の花をりっぱに咲かせるというより、株全体の姿を形よくまとめ、多くの花を咲かせて楽しむものですから、剪定もその目的に合ったものでなければなりません。その意味で、冬の剪定は、フロリバンダ系のような剪定がよいでしょう。  ただ、オールドローズには多くの系統があって、その性質もさまざまです。その品種の特徴をよく知り、おのおのの性質に合わせて行うことが特に重要になってくるわけです。

●一季咲き性のオールドローズ
(ガリカ系、アルバ系、ケンティフォリア系、ダマスク系など)
●返り咲き性のあるオールドローズ
ガリカ系、センティフォーリア系、ダマスク系、アルバ系などの一季咲き性のオールドローズは、枯れ込んでいて花を咲かせそうにない枝だけを切り、細い枝や古い枝は元から切らず、先だけを切りつめます。前年に一番花を咲かせた太い枝は古くても残しておき、同様に先だけを切りつめます。ことしはこの枝の下のほうから太いシュートが出る場合が多いからです。  
株元から新しく伸びている太いシュートは、昨年の春の花の位置で剪定し、残りの枝の高さをそこに合わせるようにすると、株の形がととのえやすいでしょう。
オールドローズの場合は、モダンローズのように必ずしも充実した芽の上で切ることはありません。よい芽が見つからない場合でも、春になればどこからともなく芽吹き、花を咲かせることが多いものです。
ブルボン系、ハイブリッドパーペチュアル系などの返り咲き性のあるオールドローズの場合は、モダンローズと同様に新しい主幹枝を残す剪定を行います。思い切って強く剪定することで、やや優美さに欠けますが、力強い花枝が多く出てきます。剪定が浅いと花の重みに耐えられないような弱々しい枝になってしまいます。ただし、品種によっては、強剪定をすると強い枝だけが伸びて花を咲かせないものもあるので注意しましょう。

3月に入ると新芽が伸び始めますが、この時期のバラは特に水をほしがります。庭植えのバラも、週に1〜2回はたっぷり水やりしましょう。 水やりの回数は庭の日当たりや土質、気候条件などによって違ってきますから、よく観察して土の表面が乾いたら与えるようにします。

剪定したあとの枝先からいくつも芽が同時に出てくることがあります。よい芽に養分を集中させるため、貧弱な芽を欠きとります。これは後に枝や葉が込み合うのを防ぐことにもなります。

剪定した枝先の芽が動かずに、その下の芽が動くことがあります。その場合は下のよい芽の位 置まで切り戻します。

芽が伸び出してくると、害虫も病原菌の活動も活発になります。3月から11月までは、毎月中旬と下旬の2回、定期的に薬剤散布をしてバラを被害から守ってやりましょう。なお、新芽は薬害を受けやすいので、3月と9月の薬剤はやや薄めにして散布します。
定期的な薬剤散布に使用する散布液の作り方
病気予防  ダコニール 1ml
害虫駆除
オルトラン水和剤
または
マラソン乳剤
1g
 
1ml
ハダニ駆除
オサダン水和剤
または
ケルセン乳剤
または
ニッソラン
1ml
 
1ml
 
1ml
*1リットルの散布液で5〜10本のバラの消毒ができる。

4月になると新苗も出回ってきますが、 欲しい品種を確実に入手するには専門のナーセリーを利用するのがよいでしょう。通信販売をしているところもあるので、カタログを取り寄せ、早めに注文しておくのがよいでしょう。  なお、植え床はできれば3月中に用意しておきましょう。植えつけのときには、有機肥料や堆肥も必要です。