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【50代以降を見据えた住み替え】季節を感じ、自然を楽しむ庭つきの戸建てへ。料理家・中川たまさんの実例

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ゆうゆう編集部

季節の野菜や果物を使ったレシピと、洗練されたライフスタイルが人気の料理家・中川たまさん。「50代以降の暮らしを見据えて住み替えをした」という現在の家と、自然を楽しむ暮らしぶりをのぞかせていただきました。

PROFILE
中川たま
なかがわ・たま●1971年、兵庫県生まれ。自然食品店勤務後、ケータリングユニット「にぎにぎ」を経て、2008年に料理家として独立。旬の食材を生かした料理やセンスあふれるスタイリングに定評がある。『季節の果実をめぐる114の愛で方、食べ方』(日本文芸社)、『つるんと、のどごしのいいおやつ』(文化出版局)など著書多数。

『たまさんの食べられる庭 自然に育てて、まるごと楽しむ』

自宅の庭で農薬や肥料を使わずに野菜、ハーブ、果物を育てる中川さん。
季節を楽しむおいしい庭作りのアイデアと工夫いっぱいの60レシピを紹介した一冊。
1980円/家の光協会

多くの時間を過ごすキッチンをリフォーム

神奈川県・逗子に夫と社会人になったばかりの娘と暮らす、料理家の中川たまさん。生活の拠点をこの海沿いの街に移したのは今から20年ほど前のこと。

「それまでは東京・世田谷で暮らしていました。とはいえ、私も夫も関西出身で、世田谷という土地にこだわりはありませんでしたから、娘が生まれ、子育てする環境について考えたとき、『ここじゃなくてもいいんじゃない?』という結論に。都内から神奈川まで範囲を広げて探した結果、静かで子育てもしやすそうな逗子に移り住むことを決めました」

その後も逗子市内で引っ越しを繰り返し、約4年前、5軒目の住居として見つけたのが現在の家だ。

「当時は50歳目前で、ちょうど夫が転職を考えていたとき。先々の生活や住宅ローンのことを考えると、50歳までには家を購入しておいたほうがいいんじゃないか……そんな思いもあり、購入を決断しました」

これを最後の引っ越しにしようと、今回の住み替えは50代以降の暮らしも視野に入れたという。

「当時、娘は大学生でしたが、社会人になったら出ていく可能性もある。だから家はそんなに大きくなくてもいいかなと思いました。あとは運転できない私が自転車で移動しやすいこと、なおかつ庭がある一軒家。それが家選びの条件でした」

そうして選んだのは築30年ほどの中古の一軒家。キッチンとリビング・ダイニングのある1階をリフォームした後、転居した。

「もともとあったキッチンは昔ながらの古いタイプだったので、新しい設備に変え、床も張り替えて。シンクの前の窓をすりガラスから透明なガラスに変えたことで光が入るようになり、キッチンが明るくなりました。料理家という仕事柄、一日の大半をこのスペースで過ごします。だからこそ、ここでは自分の好きなものに囲まれていたい。作りつけの壁の棚は扉を外してオープン収納にし、大好きなアンティークの白い器などを飾っています」

2階の3部屋+ウォークインクローゼットは、自分たちで少しずつ手直ししながら暮らしている。

「それまでの4軒も古い物件が多く、デッキを作ったり内装を変えたりと自分たちでやってきました。この家でもデッキや棚を作ったり、色を塗ったり。それもまた楽しいひとときです」

リフレッシュしたいときは、歩いて十数分の海へ。

「海沿いにあるカフェがお気に入り。気分転換にそこで原稿を書いたり、夕日を眺めたりしています」

約20年、逗子には長く暮らしているが、「絶対に逗子がいいというわけではなかったんですよ」と中川さん。

「住んでみると逗子が私に合っていて、家族で暮らしやすかったから20年この街にいるというだけ。人によって暮らしやすさの基準は違って、それぞれにベストな場所があるはず。私にとっては季節を感じられ、職業的にもそれを生かすことのできているこの土地がベストだったんだと思います」

明るい光が差し込む、居心地のいいキッチンスペース。「食器棚は前の家から使っているもの。吊り戸棚をなくしたぶん収納が減ったので、棚を作り足すなど工夫しています」

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